ヒルゲイツの日記帳

しがないYoutuberをしているヒルゲイツの思ったことを適当に並べていくブログです。

車椅子とバリアフリー、そして鉄道との関係。

どうもヒルゲイツです。

 

先日から車椅子の方がバリアフリー化がされていないということで苦言を呈したことに対して、様々な意見が浮かびました。

 

残念ながら一部には心無い言葉を本人は勿論のこと、主語を大きくして障害のある方全体にもぶつける輩がおり、頭のネジが全て飛んでる人は政治的問題にすら繋げようとしていたという酷い有様だったので、最初は記事にすることを躊躇いましたが、ある程度落ち着いたと考え、自分なりの考えを述べようと思います。

 

結局の所

公共交通機関として鉄道は全てのユーザーに使える様に努力する必要がある一方で、障害の有無に関わらずユーザー側は現状に対する不安点、不満点をしっかり鉄道会社側に伝える必要もある。

というのが私の考えです。

 

鉄道は公共交通機関の一種であり、そこにどのような人であれ平等に利用出来なければなりません。これは実際に国土交通省が1983年から公共交通機関の旅客施設・車両等・役務の提供に関する移動等円滑化整備ガイドラインを出し、またバリアフリー法を制定したりしていることからも明白です。

 

ただ、一方で財源は残念ながら有限であります。もし同じ問題を抱えた駅舎が2つ合ったとして、問題を解決するために必要な現金が1駅舎分しかなかった場合、どうしてもユーザー数が多い=利用者数が多い方の駅舎を優先して対応せざるを得ないのです。

 

そのため、基本的には利用者が多い(利用者数3000人/日以上)の駅は既にバリアフリー化がかなり進められております(滋賀県では8割程)。一方で、利用者数があまりない駅の場合、残念ながらまだ対応しきれていない駅舎も見られる上、一部では比較的利用者数が多い駅なのにも関わらず駅舎の構成上など様々な理由でまだ対応しきれていない場所もあります。その上、最近の駅の無人化等、バリアフリーが必要な方には非常に強い逆風が吹いているとは感じております。

 

しかし、この状況に対して各鉄道会社や国土交通省は様々な議論を経て、現状の障害者等への逆風への打破を目指し、IoTやAI技術を活用し何とか障害者用の等のアクセシビリティをサポートする取組が実用化されはじめています。

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IoT,AI等を利用した障害者等へのサービスの例

 

また、現状を踏まえての新たなバリアフリーガイドラインが令和三年夏に公表される予定です。

 

ただ、残念ながら障害者本人でないと想像がつかない様な問題も数多くあります。具体例としては、一般財団法人全日本ろうあ連盟の意見交換会によりますと、

 

◎電車がホームに入ってくる際の案内、突発的な電車のスケジュール変更の案内や途中駅からの車両の切り離しで別方向へ向かうことが音声だけは、わからない。そのため目的の電車に乗れないことがある。
◎障害者割引の切符は、自動券売機ではできない。(特に特急(新幹線)等の乗継が必要な場合の購入は何らか駅員とのやり取りが生じる)その際の方法としてはインターホン(音声)のみであればコミュニケーションは困難。コミュニケーションの齟齬が生じた際に、カバーできる手段がない。深夜等で周りに協力を仰ぐ人もいなければ更に購入が困難になる。
◎説明の必要な乗り継ぎを利用した場合や乗り越し等の料金精算が困難。

地震などの災害時の音声アナウンスによる案内が聞こえないので、何が起こっているか不明で更には振替方法や避難方法がわからない。電車が来ないままずっと待つことになり、不安が増してしまう。

 

などがあります。このような現状のバリアフリー対策では不十分であるというのを意見交換会等で発表してくださるからこそ、国土交通省や各鉄道会社はその意見を参考により優れたバリアフリーを提供できる、というわけです。

 

今回の件では本人が少し厳し目の口調だったのもあり、一部に反発を受けた方もお見受けられましたが、問題提起として手を挙げる事自体は今後の社会にとって必要だと考えております。勿論これは障害者等だけの話ではなく、他に不便だと感じた事や改善案があればその都度手を挙げるべきだと私は考えております。ちょっと無粋な話にはなってしまいますが、ユーザー側がより満足出来るサポート/サービスが提供できたら、その分ユーザー数増加に繋がり、収益の増加にも繋がるからです。WinWinの関係を築く為にも問題提起、意見交換は常に意識していたほうがいいかと思います。

※但し、問題提起や意見交換だからといって人に暴力的、若しくは侮辱する様な発言は論外です。

 

(参考資料: https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001371424.pdf )